女性が転職を考えた時、仕事選びの基準となるのは次のような事が多いです。
- 安定している職に就きたい
- 女性が働きやすい会社がいい
- 結婚・出産後も仕事がしたい
- ワークライフバランスの充実
- 仕事をバリバリ頑張っていきたい
- 女性だらけの職場は避けたい
女性は、安定やプライベートとの両立、あるいは将来出世できる環境を重視する人が多く、私が過去に転職支援をしてきた中でも経験としてそう感じています。
ですが、こういった希望についての情報は求人を見ただけではなかなか分からないものです。その結果、非効率に転職活動を進めていくことにつながったり、転職後の仕事のミスマッチがおこりやすくなってしまいます。
そこで、そういった事を極力減らし、効率的に自分の希望している仕事へ転職する為におすすめの方法を私がお教えします。
女性の転職市場での現状
昔と違い、現在の日本は社会全体としても女性の社会進出を支援している環境にあり、冒頭で挙げたような条件にあてはまる企業は増えてきています。とはいえ、地方を含めた日本全体でみると、女性が声を上げづらい企業や女性従業員に対する待遇の悪い企業がまだまだ多いのが現状でもあります。
女性を積極的に採用する企業の求人があっても、自分の転職したいと思える企業でなければあまり魅力は感じないのではないでしょうか。
例えば、
男性労働者が多そうな業界に転職したいと思いますか?
肉体労働が多い業界や職種に転職したいと思いますか?
女性転職希望者の多くはこのような業界や職種への転職はできれば控えたいと考えています。
私が転職エージェントとして20代の女性の求職者を転職支援したきたなかでも、これらの特徴を持つ業界や職種を希望する方はゼロに等しかったです。
特に、女性を冷遇するような肩身の狭い企業は女性からすればブラック企業に勤めているようなものです。
そして何よりも厄介なのは、こういった企業の内面は働いてみないと分からないという事で、転職の経験がある女性や現在転職活動をしている女性もそう感じているはずです。
女性が仕事選びの基準としてみているものは、自分で転職活動をしている中ではなかなか目に見える形で出てきません。
求人欄に女性にとって働きやすい環境や待遇などを記載している企業も増えてきましたが、転職活動をした事のある人ならお分かりの通り全体でみればまだまだ少数です。
女性が希望する求人を見つけやすい転職活動の方法とは?
一般的な転職活動の方法として、
- 転職サイト
- ハローワーク
- 転職エージェント
- 求人誌
など、転職市場にはいくつかの転職方法が存在します。
もし、冒頭で挙げたような
- 安定
- ワークライフバランス
- バリバリ働ける環境
といったような事を重視した転職を希望するのであれば、私は転職活動には転職エージェントの利用をおすすめしています。
転職エージェントとは、転職のプロであるキャリアコンサルタントが転職に関わるすべての支援を無料でうけられる転職支援サービスの事で、利用する事で次の様なサポートがうけられます。
- ヒアリングを通して、その人にあった求人を紹介してくれる。
- 企業に合わせた応募書類の書き方のアドバイス
- 面接対策の指導
- 企業への条件交渉や面接日程調整の代行
軽くふれましたが、私は自分が転職エージェントの事業を立ち上げ、また企業の人事責任者としても20年近く経験を積みその間たくさんの女性の転職希望者と関わってきました。その経験のなかで転職エージェントを利用することによるメリットは間違いなく大きいと言えます。
なぜ転職エージェントがいいのか、その理由とメリットについて解説していきます。
女性が活躍できる業界や職種の求人が多数ある!
転職エージェントをおすすめする理由としてまず挙げられるのは、女性が活躍できる求人が多いという事です。
具体的にどんな求人が多いのかについて説明していきます。
化粧品業界の求人が多い
女性中心の業界という事で、職種によってはワーキングマザー歓迎といったような家庭と両立しながら働ける企業の求人もあり、女性の働きやすい業界として人気がある業界です。
ハローワークを利用した事がある方なら分かるかもしれまれせんが、化粧品業界の求人はハローワークにはそんなに多く出ていません。
大手メーカーや有名ブランドの場合は転職サイトや求人誌でも見かける事は少ないと思います。
化粧品業界は名前を伏せて募集をかけたい企業が多い為、そういった企業は非公開求人として転職エージェントを利用します。
そうする事によって、求人欄から自社の動向や新商品の情報などを同業他社に悟られないようにするのです。化粧品業界は競争率が激しい為、当然といえば当然です。
その為、化粧品業界の求人は転職エージェントに多く集まる傾向にあります。
人気の間接部門系の職種の求人が多い
20代の女性に人気がある職種は、転職後に自分が直接、企業の売上利益に貢献するような職種ではなく、間接的に企業や従業員を支える役割を担う間接部門系の職種です。
この職種は、人事・総務・経理・事務職になるのですが、これらの職種は大手の転職エージェントに多く集まっています。
しかも、20代限定だったり、未経験歓迎という求人も多数ありますので、20代の女性の求職者にとっては利用価値が高いのではないでしょうか。
転職市場全体で考えても、これらの職種は人気が高く自分以外の求職者も多数応募している可能性が高いです。
しかし、求人の数も多いので、1つ2つぐらい選考見送りになってもその他の求人がありますし、大手の転職エージェントを利用中に新規求人として紹介も随時あります。
求人の多さでカバーできるという事です。
ちなみに、20代限定や未経験者歓迎の求人には実は求職者では絶対に分からない隠された内容があります。
何かと言いますと、企業が公開する求人はいくつかの法令により規制があり、本来記載したくない内容を記載しなければならなかったり、記載した方が良い内容を記載することができなかったりするという事です。
男女雇用機会均等法という法令があることをご存知でしょうか?
そこには、求人に関して、男女の定めをしてはいけないという規定があります。
それにより、本来であれば求人に女性のみという記載をしたいところですが、できずに20代の未経験などにしなければなりません。
ただ、企業が求める人材像に入っていない、男性の応募が多数きても意味がありません。
そこで企業はこのような事態を防ぐために、求人には記載できなくても水面下で転職エージェントに対して、20代の女性のみにしか自社の求人を紹介しないようにしているのです。
法令違反かどうかを問われるとグレーゾーンになりますが、企業と転職エージェントとの間の口頭でのやり取りのみになりますので、事実関係を確認することができませんから、行政も暗黙せざる得ないということになります。
この暗黙の了解により、20代の女性の求職者は優遇されているということが言えます。
このような求人はどの転職エージェントにもありますが、20代の女性の求職者が希望する業界や職種の求人は大手の転職エージェントにありますので、大手の転職エージェントが良いでしょう。
福利厚生が充実した求人も多い
20代女性は、業界や職種の他に転職希望条件のなかに福利厚生の充実という項目を入れていることが多いです。
福利厚生はその企業にしかない独自の人事制度になるのですが、例えば、
- フリードリンク制
- 社内にバーラウンジ完備
- 仮眠スペース完備
など、独特でユニークな制度があると興味関心の度合いが上がる傾向にあり、そういった企業の求人も多くあります。
このようなユーモアのある面白い福利厚生を完備しているのはベンチャー企業です。
特にIT業界に属するベンチャー企業は、そもそもとして社内の平均年齢が30歳前後だったり、半分以上が20代であることも多いため、中途採用において20代前半の転職希望者を求めることが多いです。
ここについては男性の求職者も対象になりますが、20代ですから当然、女性の求職者も対象になります。
IT業界のベンチャー企業は良い意味で今風であり、今のトレンドをそのまま福利厚生にするということがあります。
経営者も30代前半であったりしますので、今の若者がどのような労働環境を求めているのかをキャッチアップして社員のモチベーションが上がる仕組みづくりにも積極的です。
中小企業ではタブーとされるような服装自由という制度も福利厚生の一つです。
20代女性の求職者は、恐らくファッションに興味が高いと思いますし、プライベートと同様の髪型、髪色、服装などで通勤し仕事ができるのであればモチベーションの一つになるのではないでしょうか。
福利厚生を餌に人を集めているブラック企業もあるので、そこだけを見ていると転職を失敗してしまう可能性がありますが転職エージェントを利用していればそこは心配いりません。
転職エージェントではブラック企業の見極めについてもアドバイスしてもらえるので、福利厚生が充実しているとあったけど実はブラック企業だったなんて事態も避ける事ができます。
20代は仕事優先で頑張りたいキャリアウーマンタイプの女性が利用するべきは大手の転職エージェント
転職エージェントには、小規模のものや上であげたような特定の業界に特化したものなど、色々な種類のものがあります。
仕事で出世していきたい、20代は仕事を1番に考えて頑張っていきたいと考えている人は大手の転職エージェントを中心に利用していくのがベストです。
なぜ大手の転職エージェント?
大手の転職エージェントは日本に数社しかありませんし、テレビCMなど広告展開も積極的におこなっている為、ブランド力もあり企業としての規模がそもそも大きいです。大手企業は、自社と同規模の大きさの企業と取引をする傾向にありますから、認知度も高く信頼性のある大手の転職エージェント程、大手企業の求人が集まりやすいのです。
大手の転職エージェントは、転職エージェントのなかでも女性の転職支援に積極的ですし、求職者の性別に関係なく20代の求職者に対する転職支援実績が多数ありますので、エージェントから見れば得意な層になっています。
各転職エージェントともにそれぞれの特徴を持っていますが、大手の転職エージェントは、女性求職者の支援の充実と20代の転職支援を得意としている2つの点から20代の女性の求職者にオススメできるということです。
大手の転職エージェントは薄利多売戦略
転職エージェントのビジネスモデルは成功報酬型です。
企業から求人を受注しただけでは売上利益になることはなく、求職者が転職エージェントを利用して企業に採用されてはじめて売上利益になります。
成功報酬の額は求人によって多少の違いがありますが、大体の場合、求職者が企業から内定を受けた際に提示される想定年収の30%になります。
求職者の内定時の年収が高ければそれだけ高い売上利益に繋がりますが、年収が高い求人はほとんどが課長以上の管理職対象になり、転職市場ではそれらの求人は全体の2割程度しかありません。
大手の転職エージェントとしては、2割しかない求人に力を注ぐよりも残り8割の非管理職の求人に力を注ぐ薄利多売戦略を優先的に考えています。
この8割のなかには、当然20代を対象にした求人が相当数含まれています。
20代を対象にする求人は年収は高くなくても数がありますので、より多くの数を転職支援することで大きな成果に繋がります。
これは採用する企業や職種などによって違いがありますが、全体的に見て、20代の場合男性よりも女性の方が優秀であることが多く、女性の採用を積極的に進めている企業が多いのも事実です。
そして、そういった企業は大手の転職エージェントを数多く利用する傾向にあります。そういった事から、大手の転職エージェントは女性を積極的に支援しているのです。
女性におすすめの転職エージェント
転職エージェントとしての経験や、企業の採用側として転職エージェントを利用した経験を根拠におすすめの転職エージェントを選びました。
リクルートエージェント
公式サイトURL【https://www.r-agent.com/】
リクルートエージェントは、人材紹介会社の中でもトップクラスの求人数、就職支援実績をほこります。
以前から20代の転職支援を積極的にしてきていたので、20代の転職支援に関するノウハウが豊富です。幅広い業種の求人があり、表には出ない非公開求人も20万件以上あるので絶対に登録しておきましょう。
doda デューダ
公式サイトURL【https://doda.jp/】
リクルートエージェントと同じく業界トップクラスの転職エージェントです。
dodaは以前からサポートの良さに定評があり、利用者からも満足度の高い転職エージェントです。
dodaでは、女性向けに「Woman Career(ウーマン・キャリア)」というコンテンツを展開しており、それが主催するWoman's Career Meeting(ウーマンズキャリアミーティング)では、いろいろな分野で活躍する女性講師を招き、講演会やトークショーをおこなっています。
自分のキャリアについて真剣に考える女性の場なので、参加者からも高い評価を得ています。
マイナビエージェント
公式サイトURL【https://mynavi-agent.jp/】
マイナビエージェントも利用者からの評価が高いエージェントです。20代~30代前半の転職支援に積極的に取り組んでいます。
リクルートエージェントやdodaよりも求人が少ないため、他のエージェントと同時に利用していくのが良いと思います。
転職エージェントで選考通過率を上げるためのコツ
大手の転職エージェントには求人の数に比例する形で多くのキャリアアドバイザーが存在します。
求職者からすると、登録時にどのようなキャリアアドバイザーが自分の専任のキャリアアドバイザーになるのか分かりませんし、選ぶこともできません。
最初は仕方ないとしても、登録後、担当しているキャリアアドバイザーが自分に合わないと思うのであれば積極的に担当者変更を依頼しましょう。
キャリアアドバイザーは、求職者からすると企業と自分をつなぐかなり重要な存在であり、キャリアアドバイザーから多くの情報やアドバイスを受けることが多いです。
この重要な存在と相性が合わないという場合は、その後の転職活動が不利に繋がる恐れがあります。
20代の女性の求職者にオススメするキャリアアドバイザーは、年齢が30~40代の女性です。
自分と同じ20代でも良いのですがキャリアアドバイザーは経験豊富な方が良いです。
20代のキャリアアドバイザーにも豊富な経験を持っている人もいますが、数はそれほど多くありません。
キャリアアドバイザーは、転職支援の実績や経験年数の多さで担当者のがもっている企業の情報量に差があり、取引企業との関係の濃さもそれぞれ違います。
長い間、企業の転職支援に関わっていると企業に訪問する頻度も当然高く、その分、企業の特徴などを知ることができます。
この情報を求職者にダイレクトに伝えることができますので、求人に記載されていない企業の社風やマイナス面も知ることができます。
女性同士であれば、価値観を共有できる部分があり転職希望者の価値観や考えを女性視点で捉え、その結果マッチした求人紹介に繋がりやすいです。
一般職・事務職希望はハローワークの利用も視野に入れる
一般職・事務職希望をしていたり、地方に在住の人はハローワークも利用していくと良いです
ハローワークに集まる求人は中小企業メインにはなりますが、一般事務の職種も多いです。
先程ご紹介したように20代女性の求職者の転職ターゲットに一般事務が入っていますので、ハローワークを利用すると自分の希望に合う職種があると言えます。
ただ、注意しなければならないことは、ハローワークで求人の紹介など転職支援をする相手は、ハローワークで雇用されるほぼ素人のパートやアルバイトの方であるということです。
国が運営する機関とは言え、実務はほぼ素人に近い方になりますので、そのアドバイスを真に受けると転職市場の状況と乖離してしまい、あまり都合の良いものにはなりません。
ネットで企業について調べたり、実際に企業の外まで下見に行ってみるなど、自分で情報を得るために行動していく必要があります。
ベストな方法は、求人をより多く集めるためにハローワークを利用しつつ、メインは大手の転職エージェントを利用するということです。
この方法を取ることにより、転職支援のプロからの転職支援を受けつつ、転職エージェントとハローワークから求人の紹介を受けることができますので、求人の数を担保することもできます。
転職活動において求人数は生命線です。
いかに自分が応募したいと思える求人、応募資格を持つ求人を集めるのかということが大事です。
また、現在は都や県でも女性の転職を支援していくプロジェクトを立ち上げ積極的に支援を始めています。
そういった支援サービスの利用を検討するのも良いです。気になった方はお住いの県のホームページを調べてみてください。
20代女性の求職者は今が転職チャンス!
転職市場は、今、かつてないぐらいの売り手市場です。
そして、かつてないぐらい女性の求職者を、特に20代の女性にターゲットを絞って採用活動を行う企業が増えています。
なかには営業職など直接部門の求人も混在していますが、それも含めて自分が転職したいと思える業界や職種、社内制度を持つ求人が多数あります。
個人差はありますが、恐らく今、転職活動をすると6カ月以内には最低でも1社の内定を勝ち取ることができるのではないかと想像することができます。
短い人ですと転職活動から1カ月以内に内定が出るということも夢ではないです。
20代の女性で未経験の職種にトライしたいという場合においても同様です。
今回ご紹介した転職活動の方法を実践することで確実に自分が転職したい企業への内定は近づくと言えます。
より良い転職をする為にも、この記事を参考に頑張ってみてください。