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転職コラム

20代求職者が大手企業へ転職するために

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転職市場には多くの求人があるのですが、その求人の企業規模ごとの内訳はどのようになっていると思いますか?

日本にはそもそもとして、大手と呼ばれる企業群は2割程度しかありません。

転職市場で求人を公開してる企業の大半は中小、ベンチャー企業であり、労働市場と同じように大手企業の割合は1割程度と言われています。

大手企業の求人を多く集めるために、転職エージェントを利用しようと考える求職者もいますが、残念ながら転職エージェントを利用しても大手の求人企業をその他の転職方法よりも多く集めることは難しいと思ってください。

転職市場に大手企業の求人が少ない割に、20代の求職者には大手企業を転職希望にする人が非常に多くいます。

需要と供給のバランスが崩れているなか、20代の求職者がどのようにすれば大手企業に転職することができるのかなど、20代求職者と大手企業の関係について今回はご紹介したいと思います。

なぜ、20代の求職者が大手企業を希望するのか?

昔から新卒採用市場においては、大手企業が非常に人気が高く、結果的に中小やベンチャー企業への入社を決めた人でも、心のどこからに大手企業に就職したかったと心残りにしている人がいます。

新卒市場でも大手企業の採用人数は青天井であることはなく、ある程度、人数は決まっています。

新卒採用では大手企業に入社することができなかった部分を20代の転職活動でその心残りを解消しようとする動きがあります。

大手企業のイメージはどのようなものがありますか?

恐らく安定が一番のイメージだと思います。

安定ということは、労働者であればだれしも多少は期待することでしょう。

転職した先で給料遅配など不安定さの可能性がある企業よりも企業規模、資金力の充足により確実に労働に対する対価が支払われる企業の方が良いはずです。

少し前のゆとり教育の影響を受けた年齢層が今の20代の求職者に該当する訳ですが、両親などから幼いころから安定を言われてきていることもあり、安定を目的として大手企業への転職をしたいと思っているようです。

私も転職エージェントとして多くの20代の求職者の転職支援に携わってきましたが、この数年で20代の求職者の転職志向が大きく変わってきたと感じています。

新卒で入社した企業が大手企業ではなく、大手企業で働くことを捨てきれず、大手企業へ転職しようと考えている20代の求職者は非常に多くいますので、ライバルは多いと思ってください。

また、その他の理由として、現職や前職がブラック企業やそれに近い労働環境であるため、早期に退職を希望し、その企業が中小、ベンチャー企業であるため、ブラック企業=中小、ベンチャー企業ということで、ブラック企業ではない企業に転職したいということで大手企業を希望するという人もいます。

大手企業への転職をするということは、かなり狭き門だということを念頭に入れておいてください。

1カ月、2カ月程度で転職活動を終了させたい、または何かしらの理由で早期転職をしなければならない場合は、大手企業への転職は向かないと思ってください。

大手企業の選考の特徴

すでに転職エージェントを利用して企業の選考を受けたことがある求職者ならご理解頂けると思いますが、転職エージェントのキャリアアドバイザーから、このようなことを言われたことはありませんか?

『転職市場の動きが早いので応募意思決定のスピードや選考に関しての書類は早めに提出してください』

転職市場全体の動きが早くなっていることは間違いないのですが、『もっと自分のペースで転職活動をしたい』と否定的に思う人も少なくないでしょう。

実は、転職エージェントはこのような話を求職者だけではなく、企業側にも伝えています。

私は、企業の人事として中途採用の経験も持っていますが、求人を依頼した転職エージェントは必ずメールなどで定型文のように『求職者の動きが早まっていますので、選考スピードは早めてください。』、『選考結果は選考から3日以内に出してください。』という内容があります。

転職エージェントは民間企業であるため、企業と求職者に対して自社の売上利益のためにこのようなことを言っているのではないか?と疑われそうになりますが、違います。

本当に転職市場の動きが早まっていて、活動スピードが鈍い企業や求職者は機会を逸することもあり得ることです。

先程、私は大手企業を希望するのであれば、早期転職を希望する求職者には不向きであると伝えました。

大手企業も求人企業であることは変わりありませんので、選考スピードが早いのではないか?と思う20代の求職者もいるでしょう。

残念ながら、大手企業は転職市場においても特別扱いされていて、その他の中小、ベンチャー企業が優秀人材確保のために選考スピードを加速させているなかで、大手企業は全く急ごうとしません。

誤解を恐れず言いますと、大手企業の中途採用活動におけるスタンスは余程のことがない限り、『こちらのペースに合わないならば、他の企業に行って頂いて大丈夫です』ぐらいのかなり上から目線の選考スタイルになっています。

なぜ、大手企業は選考スピードが遅いのか?

大手企業の選考スピードがその他の企業よりも遅い理由は2つあります。

1つは、転職市場において20代の求職者に限らず求職者からの人気が高いため、選考スピードを早めなくても採用することができるためです。

選考スピードを早めるという意味は、企業側からするとこのような狙いがあります。

求職者の内定辞退を防ぐこと、求職者に転職意欲を高めてもらうことです。

いずれにしても、求職者を考えてのことです。

もう1つの理由は、ロジカルに説明することはできないのですが、昔からの文化になっています。

大手企業の多くは創業から歴史があり、当時からの文化や企業理念を今もなお色濃く残しています。

それにより、今の時代に馴染まないようなことも大手企業であるからこそ許されてしまっています。

顕著にその文化が出ているのが中途採用です。

今の20代の求職者が安定志向を持っていることが更に拍車をかけていて、自分の採用文化を変えるぐらいならば他の求職者を採用するというぐらいの感覚です。

20代の求職者が大手企業に転職するためには?

転職エージェントを利用しても大手企業の求人を多く集めることは難しいと説明したと思いますが、それでも大手企業への転職を希望するのであれば転職エージェントを利用することが一番の選択と言えます。

ただ、日本にはかなり多くの転職エージェントが存在しますが、そのどれを利用しても同じ効果があるということではありません。

どのような転職エージェントを利用するかということが一つ生命線になるかと思います。

大手企業も転職エージェントも民間の企業であることは言うまでもないことであり、企業間の取引にはある方程式が存在します。

自社の企業規模と同等クラスの企業と取引するということです。

大手企業であれば、大手の転職エージェントということになります。

大手企業の場合、昔から大手の転職エージェントとの取引をしてきた経緯がありますので、その他の規模の転職エージェントよりも先に大手の転職エージェントを優先し求人を依頼する傾向があります。

全く同じ大手企業の求人であっても、大手の転職エージェントと中小規模の転職エージェントを同時に利用した場合、大手の転職エージェントから先に紹介されることが多いと思います。

大手の転職エージェントは数社しか日本にありませんので、選択範囲は限定されます。

私が20代の求職者に対してオススメする大手の転職エージェントは、リクルートキャリアとパーソルキャリアの2社です。

最近、マイナビエージェントも頑張っていますから、この2社にはまだ対抗するだけの大手企業からの信頼を勝ち得ていないように感じます。

オススメする2社の特徴

リクルートキャリアについては、日本でトップの求人保有数、転職支援実績があり、説明不要なぐらいメジャーな転職エージェントです。

20代の転職という括りで考えると、パーソルキャリアよりも得意としている特徴を持っています。

パーソルキャリアはどうか?ということですが、パーソルキャリアの場合、昔から大手企業を中心に転職支援したきたこともあり、20代の求職者だけに限らず得意とする転職支援の範囲が大手企業になっています。

この2社を同時に利用すべきかどうかという判断になりますが、大手企業の場合、この2社に対して、求人を同時に依頼していることがかなり多いので、求人重複がある可能性が高いですから、2社を同時に利用することは得策とは言えません。

ですので、自分で2社のホームページなどを見て自分の転職活動に合いそうな方を1社選択する方が良いでしょう。

また、2社とも登録しておいて、面談をした結果で自分の考え方などと合うキャリアアドバイザーが担当になる方を選択すれば良いと思います。

適性検査が確実にあると思っておこう!

最近では多くの企業が中途採用において、基礎的な範囲を測定するという目的で行ってきた適性検査を行わないケースが多いのですが、大手企業の場合、20代の求職者については確実に実施すると思ってください。

大手企業が適性検査を行う背景は、簡単です。

1つの求人に対して20代の求職者からの応募が殺到するために、自社の書類選考の手間を省くために足切りを目的としているのです。

大手企業に限らず人気がある企業の書類選考は、非常に手間がかかります。

どこまで書類を確認するかは企業により異なりますが、面接に比べるとその数は膨大ですし、非常に工数を要します。

大手企業に関しては、その数が『半端ない数』になりますので、少しでも書類選考の数を減らすために、適性検査を導入しています。

その適性検査の結果、基礎的能力がないと判断された場合は、当然、その後の書類選考に進むことはできません。

20代の求職者は、大手企業への転職を希望するのであれば、書類選考が2回あるぐらいの感覚でいた方が良いと思います。

書類選考も適性検査も、20代の求職者からすると、企業が選考する現場に自分が居合わせることはできませんし、どのような基準で合否判定を下しているのかも分かりません。

また、書類選考と同じく適性検査の選考通過率は極めて低くなっていますので、ここの対策がどれだけできているかにより、内定確度に直結すると言っても過言ではないと思います。

通常、書類選考の通過率はすべての求職者の平均は2割程度になっていますが、20代の求職者の大手企業の書類選考通過率は1割またはそれ未満です。

未満ということは10社応募しても1社も通過しないこともあり得るということです。

書類選考の前後に更に書類選考と同じレベルの通過率の適性検査がある訳ですから、どれほど、大手企業への転職が狭き門であるかご理解頂けると思います。

早期に転職をしたいと考えている20代の求職者にとって、このような選考通過率の低さがありますので、高い可能性として転職活動は長期化すると思った方が良いので、大手企業への転職を甘く見ていた方は、軌道修正をした方が良いと思います。

大手企業への転職は現職とのギャップがあるかも!?

20代の求職者の傾向として、現在、大手企業に在籍している人よりも、中小やベンチャー企業に在籍している人の方が多いです。

1社でも現職の経験がある場合は、どうしても転職後に現職の経験が残ります。

中小やベンチャー企業は組織自体が若く、それに伴い組織に在籍している社員の年齢も若いです。

また、昇格スピードもあり、人によっては20代の後半あたりで課長以上の管理職のポジションで仕事をしてる人もいるでしょう。

中小、ベンチャー企業のメリットはここにある訳ですが、そのような組織文化で仕事をしてきた20代の求職者が大手企業に転職するとどうなるでしょうか。

大手企業の場合は採用活動に限らずすべてのことに対して意思決定が遅く、同時に昇格スピードも遅いです。

例えば現在、ベンチャー企業などで課長というポジションで仕事をしている20代の求職者が大手企業に転職するとどうなるでしょうか。

かなり高い可能性で今と同じ課長というポジションで大手企業に転職することは難しいと思ってください。

大手企業は組織が大きいため、課長以上の管理職というポジションに就くことができる年齢は30代後半ぐらいからであることが多いです。

今、20代で課長というポジションで仕事をしている求職者は、大手企業への転職後は、高くても主任や係長クラスだと思ってください。

場合によっては、役職はなしの一般からのスタートになることもあるでしょう。

基本的にどのような求職者であっても、転職条件に現職よりも条件が下がるということは期待していないでしょうし、できれば避けたいことだと思います。

大手企業から大手企業への転職であれば、そのようなことはないと思いますが、ベンチャー企業などに在籍している20代の求職者は、それまでの実績に見合う役職は恐らくないと思って頂きたいですし、転職条件も今より下がると思ってください。

転職条件の段階から現職とのギャップがありますし、転職後も今までのベンチャー企業などだったら、昇格できる成果もそれに比例することはなく、昇格の対象にすらならないということもあり得ることです。

昇給に関しても同じでベンチャー企業などの場合は、大きな成果を出すと年間で100万円以上、年収が上がるということも珍しくありませんが、大手企業の場合は、同じ成果を出したとしても年間数万程度の昇給しか見込めないと思ってください。

一時、就活生や20代の求職者がベンチャー企業への転職を希望することが多かったのは、成果に見合う昇格や昇給だったのですが、大手企業の場合は、ベンチャー企業のように年齢に関係なく成果に応じて昇格や昇給が早いということはあまりありません。

転職に関して安定か?または、出世か?をまだ迷っている20代の求職者であれば、大手企業への転職は恐らくストレスを抱える一因になりそうな気もしますので、今一度、熟慮された方が良いと思います。

ベンチャー企業の部長職が大手企業で言うところの課長職という感じがありますので、このあたりの役職の相違は転職前から認識して欲しいですし、今の役職は何が何でもホールドしておきたいという20代の求職者は私個人としても勿体ないと思いますので、同じ企業規模間での転職をした方が納得できる結果と転職後を得られるのではないかと思います。

大手企業の選考期間は?

最後に大手企業の平均的な選考期間について触れておきたいと思います。

まず、書類選考は、その他の企業のように3日以内ということはまずないと思ってください。

長い場合ですと2週間程度、選考結果まで要することもあります。

その後、適性検査があり、その結果も2週間程度を考えておいてください。

これだけで1カ月が経過する計算です。

その後、一次面接、二次面接、最終面接になる訳ですが、その間、長い場合ですと2カ月程度要します。

都合、3カ月はかかると思ってください。

組織が大きいため、面接官のスケジュール調整が難しく、どうしても日程調整が後ろになってしまっています。

大手企業と中小、ベンチャー企業の選考を同時に受けている場合は、中小、ベンチャー企業の内定承諾期間と整合性が取れなくなるため、大手企業を一番に考えている20代の求職者は辞退するしかないということになります。

大手企業への転職は転職活動に不具合をもたらすこともあり得ますので、かなり計画的に進める必要があります。

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