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転職コラム

20代で年収アップを望む人に対して私が思う事

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20代で年収アップできた!

こういった文言を転職サイトや転職エージェント、さらには個人のTwitterやブログでよく目にするようになってから、年収アップを目的に転職活動をする人が増えてきたように感じます。

本当に20代で年収アップをさせることはできるのでしょうか?

可能だとして、そんな簡単にいくのでしょうか?

20代の転職希望者が気になっているであろうこの点について、採用現場に立つ人事として私なりの考えを書きました。

転職市場における年収アップの基準

転職市場では、企業が求職者の経験や実績などを買うという構図ですので、年収アップの基準は経験やスキルが基本です。

ただ、年齢も一つの基準にはなり、その基準になってくる年齢は35歳、40歳と言われています。

35歳の場合は中小企業やベンチャー企業の場合で、大手企業の場合、40歳になります。

なぜ、これらの年齢が一つの基準になってるのかと言うと、課長や部長など管理職の経験を持つ求職者が35歳から40歳で非常に多くなっているからです。

つまり、年収アップの基準は求職者自身が管理職の経験があるかどうかということにもなります。

20代で管理職に就く人はそういない

20代で今転職活動をしている方のなかに、管理職の経験を持つ方はどれぐらいいるでしょうか。

今の日本は年功序列制度が崩壊し、ほとんどの企業は実力主義の人事制度を導入しています。

そのため20代でも管理職に就けるチャンスはありますが、実際には20代で管理職に就ける人の割合はそんなに多くありません。

実力主義の人事制度を導入している企業でも、大体が35歳ぐらいまでは課長代理というポジションで管理職である課長補佐までになっています。

私自身も何人か見たことがありますが、ベンチャー企業出身の人は比較的若い年齢で管理職に就く人がいる為、20代後半で課長というポジションの経験がある求職者もいます。

そういった人は20代でも年収アップを狙うことはできますが、自分にまだ管理職としての経験がないという場合は、基本的に転職しても年収は上がらないと思った方が良いです。

20代では年収アップが難しいと私が思う理由

転職をきっかけに、20代の人が期待通りに年収アップを手にすることができない理由はどこにあるのか説明します。

まず当たり前ですが、どのような企業であっても社員に対して給料を支払う、または昇給させる場合は雇用中に何かしらの企業貢献があることが大前提です。

この観点で、中途採用者である求職者はどうでしょうか?

企業の厳正な選考を通過して内定はもらったとしてもそれは選考中の話であり、まだ入社すらしていないため当然ながら企業貢献はゼロです。

まずこの時点で年収アップを望むのが難しいというのは誰にでも分かる事だと思います。

企業には雇用リスクがある

企業が中途採用をするということは、それなりの雇用リスクを抱えています。早期退職やスキル・経験不足といったものです。

一定の評価をして内定は出したとしても、入社後にその内定者が本当に企業貢献してくれるかどうかは企業側にも正確には分かりません。

不透明な部分が多ければ、誰でも給料を高く上げようとは思わないでしょう。その為、選考で一定の評価をした求職者であっても、採用条件で高い年収を提示することはほぼないのです。

これが1つ目の理由です。

その証拠に中途採用者に対しては新卒者とは違い試用期間という制度があります。

試用期間中は、内定時の年収やポジションに比べて貢献度が低い・基準に満たないと企業が判断した場合は給料を下げることができます。極論ですが、何ら制限を受けることなく試用期間で契約満了の措置を取ることもできます。
※試用期間中の雇用契約終了の通知は解雇意思ではありませんので解雇ではありません。

こういった雇用リスクを抱える中で、企業がどのように採用時の条件を決めるのかと言うと、個人差はあるものの、一般的には前職考慮になります。

前職での条件を勘案して、自社の同年齢と対比したなかで条件が決まるのです。(企業によっては年齢・経験関係なく中途入社の給料が一律で定められている事もあります。)

前職で20万円の月給であれば、採用条件に提示される月給は20万円だと思っておいた方が良いでしょう。

求職者のなかには年齢の割に異常に低い月収や年収の場合がありますから、その場合は自社の同年齢基準を優先するため、多少アップすることがあります。

また、試用期間中は月給を試用期間後に比べて10%ダウンという場合もあります。

20代は育成前提の為、年収アップは期待できない

転職市場は新卒採用市場とは異なり、求職者の経験や実績を考慮した上で企業は内定を出しますが、20代の求職者は経験や実績はそこまで高くないことが想定できます。その為、どの企業であっても即戦力人材として採用をすることはありません。

中途採用の大前提は、育成する必要がなく即戦力として企業貢献してもらうという事です。そういった前提のなかで、特に第二新卒と呼ばれる25歳前後までの求職者の場合は育成前提の中途採用になりますから、転職を機に年収が上がるということはないと思ってください。

育成と簡単な言葉で表現しましたが、企業にとって育成とは、そこに費やす時間、受け入れのための社内準備、育成するための担当者などかなりの工数を必要とします。

育成を前提とした中途採用の場合は、最低でも3カ月ぐらいは企業貢献の可能性はほぼゼロと考えています。

企業は育成が必要な人材にコストをかけたくない

企業と社員の関係は、『ノーワーク・ノーペイ』です。

労働の代償として企業は給料を支払いますし、給料を支払われる代わりに社員は労働力を企業に提供します。

この需要と供給のような関係が成立して雇用が成り立ちます。

育成する必要がある人材に対して、企業としては本音では給料を支払いたくはありません。これが2つ目の理由です。

労働基準法にのっとれば、雇用し指揮命令下にある場合は内容が育成であっても業務であっても賃金の支払い義務が発生します。

労働基準法がなければ、恐らく第二新卒を含む経験や実績が少ないため育成前提の採用対象者には給料の支払いはないのではないかと思います。まあこれは極端過ぎる話ですが、そのくらいコストをかけたくないという思いがあります。

淡い期待をするのはまだ良いのですが、強く大きな期待をして転職活動をすることは精神的ショックをうけるだけですので要注意です。

エンジニア職は例外的に年収アップが可能!?

通常の場合、20代が転職で年収が上がる見込みが薄いことは認識して頂いたと思いますが、そんな中でもここ何年かの間、ある特定の職種については20代の求職者であっても年収を上げることができます。

その特定の職種とは、エンジニア系の職種です。

エンジニア系の職種には、社内インフラを整備することを主な業務内容とする社内SEも含みますが、残念ながら社内SEについてはさほど年収アップは見込めないと思いますす。

理由は、顧客商売ではないこと、企業としてはある程度人材の確保ができているためです。

それ以外のエンジニア系の職種で転職を考えている20代の求職者は年収アップのチャンスだと思います。

今の時代、企業の生産性を向上させたり、充実した顧客サービスを作る為にエンジニアの持つ技術や経験は必要不可欠になっていますが、エンジニア系の職種はどの企業も採用苦戦しているため、転職市場全体として人材枯渇状態にあります。

本来、エンジニア系の職種は誰でもすぐにできる職種ではなく、特別なスキルや経験を必要としますが、企業にとって即戦力として想定できる十分な経験や実績を持つ求職者が少ないことから、採用ターゲットを20代の経験が少ない求職者や未経験の求職者にしているのが現状です。

すでにエンジニア系の職種で転職活動を展開しようとしている方はそれで良いと思いますが、20代の求職者で、例えば現在エンジニア系の職種以外で転職を考えているのであれば、年収アップを期待して転職軸を再設計するのも手段の一つではないかと思います。

年収アップのためだけに転職軸を変えるの?』と否定的に感じる方もいるでしょう。

しかし、そうではありません。

私見ですが、すべての職種のなかで今後将来的にみてもニーズが高まる可能性の高い職種はエンジニア系の職種です。転職においても、労働市場、転職市場のニーズが高い職種で転職することは決して将来的にみても短絡的な考えではありません。

エンジニア系の職種の押し売りではありませんが、転職をする目的は仕事をして給料を稼ぐことが一番の目的だと思います。

同じ時間、働いて安い給料を貰うよりも高い給料を貰った方が当然生活の安定や向上に寄与します。

余程、エンジニア系の職種に抵抗やアレルギーがあるという場合を除き、エンジニア系の職種で転職活動をすると確実に近いぐらい年収アップを期待することができます。

他の職種の場合、多少の経験しかない場合は年収アップはそう望めません。

転職エージェントを利用すると年収アップの可能性がある

職種に関係なく、転職エージェントを利用して転職活動をすると年収を上げることができる可能性が高まります。

分かりやすいため転職サイトとの比較をします。

転職サイトを利用しての転職活動では、転職エージェントのキャリアアドバイザーのような存在はいないため、選考中や内定の企業との交渉などは求職者自身が行わなければなりません。

まだ転職もしていない企業と内定時の段階で、企業が提示した条件に対して異論があっても対等な立場や強気に交渉できるでしょうか。

恐らくほとんどの人ができないと思います。

それを理由に一度出した内定を取り消すという行為は違法になりますのでそのようなことはしないと思いますが、内定時にゴネて転職をすると企業としては厄介者だと思うでしょうし、求職者自身も不安を残したまま転職することになり両者にとって良いことはありません。

20代の人が自分1人で転職活動をしても年収が上がるということはほぼありませんし、企業に提示された内容を鵜呑みにせざる得ない訳です。

ところが、転職エージェントを利用すると選考中も内定時も企業と求職者の間には必ずキャリアアドバイザーがいます。

企業に何か確認したいとき、企業側も求職者に何か伝達したいときはキャリアアドバイザーを介することがルールになっています。

20代の求職者にとってはキャリアアドバイザーの存在が非常に大きいです。

内定条件が企業から提示され、それを確認しもっと条件を引き上げたいと思ったら、企業に対してキャリアアドバイザーを介して伝えることができますし、その伝え方もキャリアアドバイザー自らが条件を引き上げて欲しいと言っているようにすることで、求職者自身が難色を示していると企業に悟られずに済みます。

転職エージェントの交渉の裏事情

転職エージェントは、20代の求職者限定で条件交渉をするわけではありません。

転職エージェント自身の売上利益のため、転職エージェントの宣伝効果のためでもあります。

売上利益については、転職エージェントのビジネスモデルは成功報酬型になりますから、内定条件に記載されている年収の30%前後を求職者が転職後に企業から支払われる仕組みですから、少しでも成功報酬単価を引き上げたいと考えています。

20代の求職者の条件が上がると当然、成功報酬単価も上がるということです。

また、宣伝効果についてですが、転職エージェントのホームページなどに自社転職エージェントを利用すると年収が上がる、利用した求職者の何割が年収アップに成功したなどという文言を見たことはないでしょうか?

あの宣伝は嘘ではなく本当のことです。

その宣伝の年収アップ率を引き上げるために、年収アップの交渉を積極的に行うのです。

転職エージェントのホームページにある年収アップの情報は本当のことですが、年収アップを実現することができている求職者は、管理職経験がある求職者か20代の求職者のなかでも現職や前職で異常に年収が低い求職者です。

普通のキャリアでは転職エージェントを利用したとて、年収アップをすることはそう簡単ではありません。

ですが、少なくても転職サイトなど自己応募での転職活動よりも年収アップの可能性は上がりますから、年収アップのために転職活動をするのであれば転職エージェントを利用すべきだと思います。

もし転職エージェントを利用する場合は大手の転職エージェントを利用しましょう。

転職エージェントの採用支援で人材を確保できるようになった企業は、転職エージェントを利用して人を集めてもらったという考えになるので、力関係的に転職エージェントの方が条件交渉を優位に進めやすいのです。

まとめ

転職エージェントの利用や、エンジニア職への転職など、年収アップについてお伝えしてきましたが、原則的には20代の求職者は転職を機に年収が上がるということはあまりありません。

良くて現状維持であり、現職や前職時代よりも年収は下がることも想定の範囲ないにしておいた方が良いと思います。まだ即戦力としての経験や実績がないなかで転職を機に年収だけが上がるということは普通の感覚であればありえない事です。

世の中は自分が思っているよりも甘くないですが、そのなかでも可能性を上げたいというのであれば、私の経験・知識で言えることはエンジニア系の職種を選択するか、大手の転職エージェントを利用するかだと思います。

最近はツイッターやブログで20代で年収アップしたとか、こうしたら年収アップしたとかいうものをよく目にします。

ここで一度考えてほしいのは、そんな優秀な人は稀だという事です。理由もなしに20代が年収アップできることはまずありませんから、そういった人と自分を同列に考えてはいけません。

人にはそれぞれの個性や能力、適性があるわけですから、その人が歩んだキャリアを真似たところで同じようなキャリアを進める保証はないのです。

年収アップ目的で転職を考えている人は、そういったことをしっかり認識したうえで転職活動を進めていった方が良いと私は思います。

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