何事も人に流されてはいけない。
転職活動も全く同じです。
20代の求職者の特徴としては、転職活動に対して積極的である一方、考え方が浅いために、転職活動中に、転職軸がブレ、本来、自分が希望しない企業や自分が経験したことがない職種に転職を決めてしまうことが多いです。
20代の求職者は、是非、周りに流されることなく、『自分の意思で、自分の信念を持つ』ということを強く意識して転職活動を進めて欲しいです。
私は転職エージェントとして数多くの20代の求職者の転職支援を成功させてきましたが、成功している求職者と成功していない求職者には何か必ず違いがあるのです。
今回は、20代の求職者が転職活動で考えるべきこととしていくつかご紹介したいと思います。
二十歳を超えればもう大人であり、学校を卒業した今はもう立派な社会人です。
幼さが残る転職活動ではなく大人の転職活動をしましょう。
成功する求職者には理由がある！
転職活動の成功とは、自分が当初から希望した業界や職種、企業に自分が納得できる条件で転職し、かつ、転職後も長期的に活躍し在籍し続けることを意味します。
転職という一点だけを考えれば、希望通りの企業に内定をもらうということが成功になるのですが、内定はあくまで通過点に過ぎないことを認識してください。
転職のために転職をするのではなく、転職後に自分が活躍するために転職をするのです。
つまり、転職とは手段に過ぎないということです。
20代の求職者で転職成功している人の特徴はこの点の意識が高いです。
成功していない20代の求職者はというと、この意識が低かったり、なかったりで、転職をゴールとして捉えていることが多いです。
確かに内定を勝ち取らなければ転職することはできませんし、その後の活躍する自分もイメージすることができないでしょう。
先程の通り、中長期的な視点を持ち、転職活動をすることで、転職のための転職活動だけでは不十分であることを、誰に言われることなく自分で気づくことができるのではないでしょうか。
自分だけの人生ではないことを知る！
求職者は当たり前ですが人間です。
人間は両親などから育てられ、成長していくものです。
熱い話をしてしまいますが、20代の求職者で転職成功できている人には、両親などへの感謝の気持ちを強く持ち、自分の人生が自分だけのものではないという考え方を持っています。
両親は、自分の人生であるため、自分の好きなようにやれば良いと社会人以降は良い意味で突き放す発言があるかと思います。
受け取る側である20代の求職者は、それを真に受けるのではなく、その言葉の本質を理解しておかなければなりません。
恐らくながら、自分の好きなようにという両親の発言は、20代の求職者自身を信頼しているからこそのことだと思います。
転職活動は、人生に大きな影響力を持つ重要なターニングポイントです。
単なる仕事探しの活動ではないのです。
求人を選ぶ際に、自分のことだけではなく、自分がお世話になった両親などの想いも念頭に入れてみてください。
求人を見て、『この会社、良いな！』と思っても、一旦、冷静に立ち止まることができるのではないかと思うのです。
自分以外の人生も考えることで、『両親ならこの求人で働く自分に納得するだろうか？』という少し違う視点を持ちながら求人選びをしてみてください。
ここで、求人選びはそこそこで実際に企業の選考中により深い判断をすれば良いのではないか？という意見もあるでしょう。
多くの20代の求職者の転職支援をしてきた私から言わせると、20代の求職者においては、企業の選考を受けてからでは、一旦、立ち止まり冷静な判断をすることがほぼ難しいようです。
なぜかと言いますと、20代の求職者に限らずですが、選考が前に進むにつれて、自分の気落ちとしては、『この企業は自分を評価している』という思いが強くなり、それまで以上にその企業への転職意欲が増幅します。
求人選び段階ではそこまで志望が高くなかったにも関わらず、選考を受けてその選考が前に進めば進むだけ、その企業への志望意欲が高くなります。
一点集中型という言い方を転職市場ではしますが、20代の求職者はこうなると転職活動で考えるべきことは頭になくなり、その企業から内定をもらうことだけに集中してしまいます。
仮に、その企業に対して求人選びの段階から志望度が強烈に高いという場合は、一点集中型でも良いのですが、そうでないのであれば、選考に進む前の求人選びの段階から慎重にことを進めてください。
成功している20代の求職者は、自分の人生だけではなく、両親などのそれまで自分がお世話になった人の気持ちも考えて転職活動をしています。
転職エージェントの使い方がうまい！
今の時代、転職エージェントを利用して転職活動をするということは当たり前になっています。
これは20代の求職者に限らずすべての求職者にとっては普通のことです。
転職エージェントを利用するメリットは複数ありますが、20代の求職者で転職エージェントを利用している人は、求人紹介以外の利用がうまいと思います。
転職エージェントを利用する一番の目的でありメリットは求人を紹介してもらうことだと思いますが、それ以外にも20代の求職者は最大限利用するために考えることがあります。
20代の求職者が企業の選考を受けた場合、最も選考で見送りになる可能性が高い選考フェーズは書類選考と適性検査になるのですが、この2つは鬼門とも呼ばれていて、通過率は1割程度と言われています。
人気求人であれば、その分、更に通過率が下がるということが想定できる訳ですが、そのために書類選考で必要になる履歴書や職務経歴書の書き方などの添削、そして適性検査の勉強サービスを利用することは、ごく普通のことです。
私は、この2つの転職支援に加えて、求人選びが大事だと思いますし、20代の求職者で転職成功している人は、求人選びが非常にうまいです。
求人には公開求人、非公開求人、独占求人の大きく3つの求人種類があります。
公開求人とは、転職サイトにも掲載されているようなだれでも閲覧できる求人のことを指します。
非公開求人とは転職サイトには掲載されていない社名非公開で転職エージェントにのみ依頼されている求人です。
最後の独占求人とは、転職サイトにも求人はありませんし、その1社の転職エージェントにしかないかなり希少価値が高い求人のことを言います。
転職エージェントを利用する場合の転職市場で最も多い求人種類は非公開求人です。
20代の求職者は非公開求人と限定求人を混同している方もいるのですが、この2つは全くの別物と考えてください。
転職成功している20代の求職者の転職エージェントの利用方法として、独占求人を多く集めているということです。
独占求人は、先程の通りその1社にしかない求人であり、他の転職エージェントを利用しても紹介されることはありません。
転職エージェントである私として、転職エージェントを利用する生産性が高い利用方法は大手の転職エージェントを1社、中小規模の転職エージェントを複数社利用することですが、20代の求職者には例外的に、これでもかというぐらいの転職エージェントを同時に利用しても良いと思います。
その他の年齢を対象にした求人は20代を対象にした求人よりも選考倍率が低いです。
そのため、数社の転職エージェントを利用するだけでも十分、転職することができるのですが、20代の求職者は違います。
どの求人でも良いのであれば、数社利用だけでも十分、転職することができますが、できれば、自分が希望する企業群への転職をしたいと思うでしょう。
自分が希望するということは、他の同世代の求職者も同様にその企業には転職意欲が高いということになります。
人気企業ということで、なかなか選考を通過することが難しい状況が待っています。
1つ1つの求人は選考倍率が高いということは変わりませんが、選考倍率が高い企業を何社受けることができるのかということは確率論の世界で違いがあります。
1社だけ選考を受けるのと、100社受けるのではその確率はやはり違います。
転職活動は質が重要になりますし、1社だけでも質が高い転職ができればそれは成功になりますが、20代の求職者は応募する数にもこだわりを持っておかなければ、いつまで経っても転職することが難しいということになります。
生産性が下がるのではないか？という声もありそうですが、生産性を担保するために、例えば50社の転職エージェントを利用した場合、予めキャリアアドバイザーに対して、『御社でしか紹介されない独占求人だけを紹介してください』と依頼しておくのです。
どの転職エージェントにも必ず1社は独占求人が存在します。
仮に50社の転職エージェントを利用した場合、1人の求職者は50社の独占求人を紹介されることができるということになります。
1社ごとの転職エージェントからは、紹介される数はかなり少なくなりますが、全体を考えればかなり多くの求人紹介を得ることができます。
20代の求職者で転職成功している人は、このように転職エージェントをかなり多く利用し、その転職エージェントごとの独占求人だけを選んで転職活動をしています。
その他の求職者と同じやり方では得られる結果もそう変わりません。
周りに流されるなどではなく、自分でしっかり考えることが重要で、考えることによりその先にある転職活動の方法も独自性が生まれ、プロセスも結果もその他の求職者とは違うものを得ることができると思います。
失敗している20代の求職者の考え方
20代の求職者で転職に関して失敗してる人の特徴で最も顕著なことは、自分が失敗に進んでいる転職活動をしていることに自分では気づけないことであり、失敗に気付くときはいつかと言いますと、転職後です。
自己分析が浅く、転職活動前に掲げた自分の転職条件などが転職活動途中にブレてしまい、その場その場の行き当たりばったりの転職活動になっています。
その場その場で臨機応変にという逆説的な考え方もあると言えばありますが、20代の求職者にはこの考え方は馴染まないと思ってください。
臨機応変ということは、それなりの社会人経験があり、経験から状況に応じてやり方や考え方を変えるということになりますが、20代の求職者で転職活動において、状況によりやり方や考え方を変えるということはかなりハードルが高いことです。
その場その場の転職活動をしていると、その活動自体が人生においての大きなリスクに繋がりますので、転職活動前に考えるべきことを深く考えて頂き、それから転職活動を実行した方が無難な選択だと思います。
とは言え、転職活動中に自分が失敗に繋がる転職活動をしていることに気付くことが難しい訳ですから、第三者を利用することが必要です。
一般的には転職エージェントになるのですが、その他でも自分をよく知る身近な人にアドバイスを求めることも必要です。
私が失敗しないための方法としてオススメする方法はOBOGサイトを活用するということです。
最近、新卒市場においてOBOGサイトがブームになっています。
このサイトの主な利用者は就活生であり、主な利用目的は就活生が希望する企業で実際に働く社員とサイトを通じて交流し情報交換をすることです。
ただし、OBOGサイトの利用方法は、必ずしも就活生でなければならないという規約はありません。
30代以降ともなれば、そのサイトとの親和性は薄いため、オススメすることはしませんが、20代であれば、まだ十分、利用しても良いものだと思います。
実際にその企業で働く社員から生の情報を聞くことができるということは、かなりメリットがあると思います。
通常、どの企業も採用活動は採用を目的にしていますから、志望度が上がる情報がメインになり、志望度が上がる情報はなるべく求人にも記載していません。
20代の求職者は、その企業の良い部分やそうでない部分もすべての知った上で、選考を受けるかどうかを決める方が良いしょう。
求人や選考を通して、その企業が良いと思っても実際にその企業で働いた経験はない訳ですから、良いと思っても、必ず転職後に少なからずギャップがあります。
30代以降の求職者であれば、それも転職の想定内としてマインドコントロールすることができますが、20代の求職者の場合は、小さなギャップを自分で消化することができず、大きなストレスに変わりモチベーション低下や退職に繋がることもあります。
20代の求職者は企業の生の声を意識して欲しいですし、そのためには今はOBOGサイトがありますので、そのサイトを効率的に活用してみてください。
その生の情報を聞いた上で、その企業に対しての考え方を再整理して欲しいのです。
転職に値しない転職理由を持っている？
転職で失敗している20代の求職者の典型的とも言えるタイプが、現職に対して、不満を持ち、その不満が客観的にみて大したことがない内容であるということです。
上司と相性や考え方が合わない・・・。
どの企業にあり得ることで、上司は選ぶことはできません！
給料や評価に不満がある・・・。
給料や評価は自分が決めることではないですし、その評価は恐らく妥当なものです。
労働時間が長いからプライベートを充実させられない・・・。
今時、多少の残業は当たり前です。どこの企業に行っても多少の残業はあります。
新卒で配属された職種をやりたくない・・・。
新卒で配属される職種は自分で決められるものではないです。組織である以上、組織優先で配属されるのは当たり前のことです。
いくつか20代の求職者が持つ転職理由をご紹介しましたが、今、この記事を読んで頂いている方の中に自分の転職理由に合致するものはありますか？
もし、あるのであれば、このような理由は些細なことであり、転職先でも普通にあり得ることです。
このような理由は転職するに値しない理由であり、面接でこの理由を隠し、転職することができたとしても、転職後に全く同じ状況になる可能性が高いですから、今すぐ転職活動に対する考え方を改めましょう。
このような転職理由は理由ではなく、単なるわがままの範囲であり、わがままを理由にして転職するという選択はあまりに浅はかです。
転職してはいけないということではなく、転職後のことも考えておかなければ、転職が単なる今のわがままから逃げるためだけの手段になってしまい非常に勿体ないということを説明しているだけです。
転職は成功か失敗の2つしかない！
どうせ転職活動をするのであれば、その結果は成功した方が絶対に良いと思います。
失敗するには理由がありますし、失敗に不思議な失敗はありません。
成功にたまたま成功するということはあっても、失敗には何かしらの原因がそこにあります。
失敗しないためにできることはすべてやってほしいですし、そのための基本線は転職活動に対する考え方や考えるべきことを考えるということです。
考えることで、今まで見えなかったことや気付くことができなかったことが見えたり気付くようになります。
そうすることで、選択する方法は違ってきます。20代の求職者は転職活動をもっと深く考えるべきです。
第三者からの意見も柔軟に取り入れることが大事になり、転職活動のプロは転職エージェントですから、転職エージェントを効果的に利用しつつ、自分だけの人生ではない、転職ではないことを今一度、認識してください。
ここで失敗すると、その後のビジネス人生でリカバリーすることはなかなか難しくなります。
2つの結果しかないのであれば、できることなら全員が成功した転職活動、転職をして欲しいと思います。