ここでは、20代の面接対策のヒントになる情報をお伝えします。
企業との面接では一次面接が最も大事
異なる企業もありますが、一般的に企業は面接回数を3回に設定している事が多いです。
1次面接、2次面接、最終面接という流れです。
この複数回の面接の中で、最も重要な面接は一次面接になります。
これから解説していきますが、一次面接が1番の難関であり、一次面接で落とされない為にはしっかり面接対策しなければなりません。
なぜ面接を3回に分けるのか?
面接が多いと、『どうせ面接するなら1回で終わりにしてよ!』と思いますよね?
私は企業の人事として中途採用にも関わっていますし、転職エージェントとしての経験、更に自らも求職者として転職した経験がありますが、当事者である私も同じように思ったことがあります。
何度も企業に訪問すれば、その分の時間とお金もかかりますし企業からしても生産性の低い行動ではないかと思うでしょう。
しかし、企業が複数回に分けて面接を行うには理由があります。
企業は、それぞれの面接を目的別、面接官別に区切り、応募者採用するかどうかを見極めていきます。
1次面接では浅く広く、『人物面重視の見極め』が目的
2次面接では、深堀して、『採用するメリット』が目的
最終面接は1次面接と2次面接の結果を踏まえた上で、『自社に合う人材かどうか』を目的にしています。
1次面接は人事担当者レベル、2次面接は人事課長以上レベルと配属先の課長以上クラス、最終面接はその会社の社長や役員クラスです。
20代の転職希望者に対する一次面接は不合格を前提にしている!
冒頭でお伝えした通り、面接が複数回ある企業では一次面接が最も大事ですが、20代の場合は特にです。
基本的に一次面接は応募者をふるいにかける為におこないます。これは企業の採用活動に係る工数を減らすのが目的だからです。
20代の転職希望者は転職市場では母数も多く、第二新卒という市場が確立されているように20代前半を中心にした求人が非常に多くなっています。
そういった現状のなか、20代の応募する求人は偏りやすいという傾向もあります。自分が興味を持った求人は他の求職者も興味を持っている人気求人である可能性が高いという事です。その為、応募者が殺到した企業側は必然的に選考に係る工数が増える事になります。
企業はなるべく生産性高く効率的に採用活動を行いたいと思っていますから、面接の前に適性検査や書類選考で応募者をスクリーニングしていわゆる足切りをおこなうのですが、それでも面接数は多いのです。
また、工数の他に各面接を担当する面接官ごとに給料が違うという理由もあります。
分かりやすく時給で表すと、人事担当クラスと役員クラスではやはり大きな開きがあり、1時間あたりの時給も最終面接になればそれだけ高いということになります。
なるべく時給が安い人事担当者クラスが担当する1次面接でかなりの数の求職者を見送りにすることでその後の面接官は、面接数を減らすことができるのです。
私の経験上ですが、一次面接数が100回だとすると、2次面接は20回、最終面接は5回程度の割合です。
これだけの差が一次面接とその後の面接ではあります。
一次面接を突破することはかなり難しいことになりますが、逆を言えば、一次面接を突破するとその後の面接通過や内定の可能性は一気に上がるということになります。
補足として、二次面接は選考通過を前提とした面接で最終面接は確認も含め採用することを前提とした面接になります。
一次面接を突破するためのポイント、それは「必然性」
20代の人は、内定の鍵は1次面接の対策次第ということも言えます。
限られた時間のなかで面接官が重視しているポイントに軸を置いた対応が必要で、一次面接では実績やスキルよりも人物面を重視したいわゆるポテンシャルに重きを置いた面接になりますから、この点を意識して面接を受けることが重要です。
ポテンシャル採用では何が重要か
潜在能力や人物面を重視した採用をポテンシャル採用と言いますが、ポテンシャル採用においては人間力をアピールしていく必要があります。
社会人である前に人として常識的な言動や行動を取るようするという事です。
挨拶や礼儀、言葉遣いは当たり前ですが必須事項です。
この点なくして人間力は語れませんしその他の点で人間力をアピールしても全く説得力が生まれません。
知ったかぶりはしない!分からないことは分からないで良い!
20代の人は、面接官の質問に対して
「こんなことも知らないと思われたらまずい」
「他の候補者は分かっているかもしれない」
という思いから、実は分からないことも知っているかのように答えることがあります。
私も企業の面接官として何度も面接を経験したことがあるので分かりますが、面接官は面接の経験が豊富であり、その質問に対して本当に知っているかどうかはある程度判断することができます。
そのため、自分を悪く見せないようにしようとしたことが、逆にマイナスになってしまうことにもなりねません。
下手に知ったかぶりをしても、深堀した質問をされると結局分かりません知りませんということになってしまいます。
分からないことは分かりませんで良いですし、知らないことも知らないで良いのです。
20代の応募者に対して、高度な回答やレベルの高い回答を1次面接では求めていません。
求めているのは人間性、言い換えれば素直さや真面目さといった部分です。
素直に自分の未熟さを認めて、面接官から教えてもらうぐらいの低姿勢で対処した方が面接官からの評価も高くなります。
転職理由では必然性をアピール
人物面を重視することの他に、もう1つ一次面接の面接官が求めていることがあります。
必然性です。
数ある企業の中から、なぜ自社を希望しているのかということをかなり気にします。
必然性の有無は、その後の最終面接にも繋がる重要なことです。
最終面接では自社に合う人材かどうかを見極めると伝えましたが、自社に合うかどうかを判断する材料として必然性があります。
自社の社風や考え方、価値観にその求職者がどれだけフィットするかどうかということです。
一次面接で必然性を持った転職理由を述べることができれば、最終面接でもかなり有利になります。
必然性ある転職理由をつくるには?
必然性のある志望理由を設定するためには、企業研究が必須です。
企業のホームページなどでその企業の企業理念や行動指針など、その企業にしかない情報をインプットしてそれを志望理由に含めてください。
絶対にやめて欲しいことは、業界や職種を中心にした志望理由です。
この2つは業界のなかであれば、どのような企業でも通じてしまいますし、職種においても同様です。
業界や職種、その他として事業内容を志望理由に含めることも良いのですが、それだけ、またそれをメインとした志望理由にしないようにしましょう。
面接官に、「自分が興味ある業界だったらどの企業でも良いのだな」とか「職種ありきで転職活動をしているのだな」などと思われてしまうと、1次面接は確実に見送りになります。
転職エージェントを利用すると企業からその求職者の選考結果と選考理由の共有が企業側からあります。
20代の面接で不合格の理由で目立つことは、『必然性がないため』です。
30代以降であれば、必然性がなくても企業は中途採用に即戦力を期待していますから、即戦力と期待できる経験や実績などがあれば企業も譲歩して選考通過や内定を出すこともありますが、20代の求職者の場合は違います。
基本的にはポテンシャル採用になります。
ポテンシャルを基準にしているため、必然性がなく経験や実績も浅いとなれば採用する要素が見当たりません。
面接対策で意味がないことは?
最近ではキャリアコンサルティングを謳った有料の面接セミナーがあったり、その他でも書店などで面接対策の書籍が売られています。
私から言わせると、有料セミナーや対策本にお金を使うことはあまり意味があることだとは思いません。
有料セミナーに経験の意味で参加したことがありますが、これなら転職エージェントを利用してキャリアアドバイザーからコンサルティングを受ける方が良いと思いました。
また、対策本を読んだことがありますが、内容的に転職エージェントよりも薄いです。
転職エージェントは無料で転職支援を受けることができ、その転職支援のなかには面接対策も含まれています。
有料で転職エージェントでも受けることができる面接対策をすることと、無料で有料セミナーに等しい面接対策を受けること、私なら後者を選びます。
それらが全く意味がないということはないのですが、転職エージェントを利用するつもりなのであれば意味はないと思っても良いです。
転職エージェントを利用することで飛躍的に面接が良くなる!
今お伝えした通り、転職エージェントでも模擬面接も含めて面接対策はしてくれます。
面接対策のなかで、私がかなりオススメしたいことは企業ごとの過去の面接での質問集です。
転職エージェントは求人元である企業と長い取引があり、その都度、面接を受けた求職者から面接後にどのような質問があったのか情報収集しています。
また、転職エージェント自身も企業に訪問をして人事担当者からどのような質問をしているのか、または、どのような人材を求めているのか具体的に情報収集しています。
転職エージェントを利用すると、面接前に面接対策として過去の質問集と求める人物像の共有が必ずあります。
共有情報のなかには、過去の求職者がその面接で見送りになった理由も含まれていますから、面接でやってはいけないこと、発言してはいけないことを具体的に知ることができます。
有料セミナーと違い、転職エージェントは国から許可を得た有料紹介事業者です。※有料紹介事業者とありますが、利用者は無料です。
転職エージェントのように転職支援をするためにはその許可が必要で、有料セミナーは許可がありませんから転職支援をしていません。その為、現場目線での企業の情報を集めることはできないです。
転職エージェントからの質問集などにより、面接通過率は飛躍的に上がると思います。
自己応募の場合、面接後のお礼は必要か?
20代ので転職考えている人の中には、転職エージェント以外の方法、例えば転職サイトなど自己応募で転職活動をしている人も多いでしょう。
転職エージェントを利用している場合は良いのですが、自己応募ですから企業と直接やり取りすることになります。
ここでご紹介する内容は面接そのものではなく、面接終了後の対応です。
直接やり取りできる分、企業に面接後にお礼の連絡をすべきかどうかということです。
恐らく自己応募で転職活動をした経験がある場合、一度は迷ったことがあるのではないでしょうか。
面接後には必ずお礼の連絡をしましょう!と言いたいところですが、それは昔の話で今は特に連絡する必要はありません。
連絡をすると逆効果になりますし、企業は一々、そのメールに返信することもありません。
余計な行動はしなくても大丈夫ですので、面接後は、自分に自信があるという印象を与える意味でも小細工は控えましょう。
転職を考えている人は面接をたくさん受けること!
20代の場合、当然面接官は自分より目上であることが多いです。ビジネスマンとしてもまだ未熟であり、面接で緊張し思い通りできないという可能性が高いでしょう。
この対策として、自分が興味を持つ求人にはもちろん応募するのですが、全く興味がない求人にも応募してみてください。
できれば全く興味がない求人を先に応募し面接も先に受けましょう。
興味がない企業の面接を何度か経験した後に本命企業の面接を受けるのが望ましいです。
まずは面接慣れからはじめて、慣れてきた頃合いを見計らって本命企業の面接を受けると、緊張感も緩和されて自分が思うことをしっかりと表現することができるようになります。
働く気もないのにモラル的にどうなのかという声が聞こえてきそうですが、転職においてそんな事を気にする必要はありません。
就活で色々な企業を面接に行ったり、受験ですべり止めを受けるのと同じことです。
企業も各応募者の事は選択肢の1つとしか考えていません。
やるべきことをやってまずは1次面接の突破を!
今回ご紹介した各面接の裏側を参考にして頂き、それぞれの面接に向けて万全の準備をしていきましょう。
内定のためには、まずは1次面接です!
ここさえ突破できれば、その後の面接はかなり楽に進めることができますので頑張ってください。