いきなりですが、転職に安定を求めている転職希望者に質問があります。
転職における安定とは何でしょうか?
恐らく大半の方は、『給料も定期的にあがり残業時間も少なく長期で働ける環境』と定義しているのではないかと思います。
この定義は正解です。
しかし、転職における安定には、もう一つ外せない要素があります。
それは、『やりがい』です。
どれだけ残業が少ない環境であっても、人間の性質には『飽き』や『マンネリ』が必ずありますので、やりがいがなければ長続きすることはありません。
そして、その「やりがい」と「安定」の両方を得られるのが記事タイトルにもある管理部門への転職です。
この記事では、そんな管理部門の仕事とはどういったものなのか、管理部門に転職しやすくする為のコツなどをお伝えしていきます。
安定を求めるなら管理部門の職種が鉄板!
20代の転職で安定を求めるのであれば、管理部門の職種に絞った転職活動をしましょう。
「いきなり職種を絞ると転職活動の幅が狭まり可能性がなくなるのではないか?」と思うかもしれません。
大丈夫です。
職種の幅を広げて転職活動をしている中で、例え他の職種を知ったとしても最終的に安定であれば大体が管理部門の職種に絞られるからです。
私は転職エージェント事業を立ち上げ長年に渡りキャリアアドバイザーとしても多くの求職者と接してきた経験を持ちます。
これまで私が支援してきた転職希望者は、安定を軸としているなかで転職活動初期は幅広くその他の職種を見て回っても、最終的には管理部門の職にたどり着くケースがほとんどでした。
転職市場には数多くの職種の求人が存在しますが、安定と相性の良い職種は、実はそこまで多くはないのです。
ですので、安定しか考えていないという20代の求職者の場合は、最初から決め打ちで管理部門の職種に絞った転職活動をオススメします。
また、20代の求職者においては社会人経験が浅いためか、あまり希望していない職種でも求人を見たり面接を受けたりして好印象を持つとその求人に転職してしまうケースも散見されます。
ここはぶっちゃけトークになりますが、どの企業も求人に内部的な情報をすべて記載することはありません。
求人を公開する企業は採用したくて求人公開に至っているのに、そういった求人に自社の改善が必要な情報やあまり良くない情報を記載すると思いますか?
30代以降になると、経験とともに物事の表と裏を見る習慣や能力が身に付き、求人内容や面接だけで判断することはなくなるのですが、どうしても20代の求職者は若いということで求人の裏を読もうとすることはありません。
これはリスクになりますので、リスクを排除するという意味でも安定が絶対的な目的という場合は、最初から決め打ち活動をした方が得策と言えます。
管理部門の職種にどんなのがある?
管理部門の職種は、直接、企業の売上利益に貢献することはほとんどないバックオフィスと言われる職種で、具体的には以下のような職種です
- 人事
- 総務
- 経理
- 財務
- 一般事務
家庭との両立を希望している女性には一般職が良い
一般事務は男性よりも女性メインの職種とも言えます。一般事務については多くの企業が一般職としての採用を想定しています。
今の時代、男女雇用機会均等であり女性も結婚や出産、育児後も企業で働き続けるということは普通の時代になりました。
しかし、実情としては家庭との両立が必然になり、時短勤務や突発的な休暇が多くなります。一般職では産休や育児休暇などの制度もしっかりしている企業が多いので、仕事もしたいけど家庭も持ちたいという女性は一般職の方が良いと言えます。その代わり、将来的な昇格はあまり期待することはできません。
男性は安定の中でも昇格を意識した転職を
女性と違い男性の場合は、結婚後も仕事を中心に生活リズムを作らなければなりません。家庭を養う為にお金を稼がなければ生活が良くなる事はありませんから、いつまで経っても昇格が期待できない仕事に就くのは望ましくないです。モチベーションにも繋がらないはずです。
一般事務以外の管理部門の職種も、性別に関係なく時間のコントロールを自分で行うことができます。残業ゼロということはないですが、基本的に残業はほとんどありませんので時間面でも安定的に仕事をすることができる要素があります。
知っておこう
管理部門の職種のなかでも、人事と財務においては世間一般でも出世職とも呼ばれていて、この職種で企業に在籍していると近い将来企業の幹部になれる可能性があります。
給料は役職と連動しますので、将来的に高い給料を得ることができる可能性もあるということになります。
更に、人事や財務という職種は社会的な信用も強い職種で、例えば家や車のローンを組むというときに審査が通りやすいという一面も持ち合わせています。
管理部門の職種への転職方法
管理部門の職種の効率的な転職活動をご紹介します。
一般職の場合は別ですが、基本的に自分だけで転職活動をしているだけでは管理部門への転職は難しいと考えてください。
- 転職サイト
- ハローワーク
- 求人情報誌
- 転職エージェント
など、様々な転職活動の方法があるわけですが、管理部門への転職方法に1番効果的なのは転職エージェントを利用することです。
転職エージェントとは、無料で転職支援をしてくれる転職サービスの事で、転職エージェントの一般的な転職支援の内容は以下の通りです。
■求人紹介(登録後の随時含む)
■履歴書や職務経歴書の添削
■模擬面接(面接練習)
■面接前の面接情報(どのような質問を受けるか?など)
■選考中のプッシュ(選考通過、内定が出るように後押し)
■内定時の条件交渉
転職エージェントは日本に数多く存在しますが、求人数が多い大手の転職エージェントを利用しましょう。
大手の転職エージェントとは、リクルートキャリアやパーソルキャリアなど日本に数社しかないような企業が運営する転職エージェントの事です。
これらの転職エージェントはテレビCMやインターネットで積極的に広告展開をしているので、多くの人が知っていると思います。
大手の転職エージェントには、長年多くの企業の採用支援を成功させてきている実績がある事から企業からの信頼も厚く、求人が多く集まるというメリットがあります。
問題は、これら大手の転職エージェントをどのように利用するかということです。
大手の転職エージェントの特徴は、求人の数が豊富にあるということですが、1つネックとなるのが、複数の大手の転職エージェントを同時に利用しても求人の重複が多いということです。
これは、採用する側の企業には少しでも早く採用を終了させたいという思いがあるため、大手の転職エージェントを中心に多数の転職エージェントを利用するからです。
なので、職種を限定していないは別として、管理部門に絞った転職活動においては大手の転職エージェントを1社利用することで十分かと思います。
チェック
大手の転職エージェントにない求人を持っている転職エージェントはないのかという事について、確かに、他の中小規模の転職エージェントでは大手の転職エージェントで保有していないニッチな求人を持っています。
ですが、残念ながら20代の転職希望者が応募できるランクの求人はゼロに近いと思ってください。
20代の求職者が応募できる求人があったとしても、その求人は大手の転職エージェントにもある求人になりますから結局は重複で終わります。
履歴書・職務経歴書の添削と模擬面接は必須
転職エージェントを利用するのであれば、履歴書や職務経歴書の添削と模擬面接は積極的に使っていきましょう。むしろ、20代の求職者の場合は、履歴書や職務経歴書の添削は必須利用と考えてください。
その理由は以下の通りです。
- 自分で作成した履歴書・職務経歴書では書類選考の通過率が極端に下がる
- 企業ごとに選考ポイントが違う
この2点について、それぞれ詳しく解説していきます。
1.自力での応募書類作成は落としてくれと言っているようなもの
20代という世代は今は転職市場で一つの市場として確立されていて、多くの求職者が転職活動をしています。
その為、1つの求人に対して応募が集中する傾向があります。
そうなると書類選考の通過率が悪くなり、選考のメインである面接に進めないということが増えていきます。
そういった状況の中、転職エージェントを利用せずに自分で履歴書や職務経歴書を作成しただけでは、その他大勢の中に埋もれてしまい書類選考の通過率を上げることはできません。
転職市場において、管理部門は激戦区なのです。
書類選考はどの企業でも行う選考プロセスにはなりますが、書類選考の性質上、提出する履歴書や職務経歴書の内容(学歴や過去の職歴など)で判断されてしまいますので、いかに通過率が高まる履歴書や職務経歴書にするかが大事なのです。
転職エージェントのキャリアアドバイザーは転職のプロですので、選考に有利な職務経歴書の書き方を知っています。なので、転職エージェントでの履歴書や職務経歴書の添削サービスが大きなメリットになります。
2.転職エージェントは各企業に合わせたノウハウを持っている
転職活動となれば当然複数の企業に応募しますが、すべての企業には書類選考の癖や傾向が必ずあります。
それぞれに書類選考のポイントや基準が異なるということです。
もっと言いますと、企業のなかでも書類選考を行う担当者は複数名いますので、同じ企業であっても担当者ごとに書類選考で見るポイントが違うのです。担当者ごとに履歴書や職務経歴書の好みがあると思ってください。
例えば、レイアウトや書き方です。
担当者が好むレイアウトや書き方にして、かつ、担当者が見るべきポイントに厚みを持たせるという手法を使うことができれば、必然的に通過する可能性が上がります。
大手の転職エージェントは、企業との長年の付き合いから中途採用を担当する人事と定期的に打合せや会食を行い情報交換をしています。
それにより、書類選考や面接のポイント・担当者ごとの個性を把握しています。
これらの情報を履歴書や職務経歴書の添削でキャリアアドバイザーは利用しますので、企業ごとに内容や書き方をカスタマイズしてくれます。
20代の転職希望者にとって書類選考はかなり鬼門と言えるフェーズになりますので、少しでも通過率を上げるためにできることはすべて対処して欲しいです。なので、転職支援のプロであるキャリアアドバイザーの意見やアドバイスを忠実に聞き入れるようにしましょう。
ココが大事
転職エージェントでは、まず最初に自分で応募書類を作りそこから添削してもらうといった流れになります。
自分で作成した履歴書や職務経歴書が全く違う形になることもあるでしょう。
しかし、書類選考通過のためにはそれを柔軟に受け入れる姿勢が必要です。
変なこだわりは捨てるようにしましょう。
管理部門への転職にオススメの転職エージェント
管理部門への転職に大手の転職エージェントを推奨しました。
その中でどこを選べば良いのかについてですが、オススメするのはリクルートエージェントとDODA(デューダ)の2社です。
どちらも求人数が10万件以上ありますし、この2社が業界のトップクラスでもあります。
転職実績も多く豊富な転職ノウハウがありますので、この2社のどちらかを選んでおけば間違いないでしょう。
選ぶポイントがあるとすれば、ほんのわずかな差ですが扱う求人に違いがあるということです。
どちらも大手の転職エージェントなので大体の求人は重複するというのが大前提ですが、大手企業からの求人が多いか、中小企業からの求人が多いかという事です。
この2社で比較すると、DODAは大手企業の転職支援に強い特徴があり、それとは逆に、企業規模があまり大きくないベンチャー企業や中小企業の転職支援はリクルートエージェントが得意としています。
全体求人数ではリクルートエージェントが業界トップなので、もちろん大手企業の求人もたくさんありますが、どちらかと言えばベンチャー企業などの転職支援の方が強いと感じています。
同じ管理部門の職種でも、わずかではありますが転職エージェントごとに違いがありますので、このあたりも転職活動の情報として持っておくと良いでしょう。
大手企業のみしか転職希望先に入れていないというのであれば最初からDODAを選ぶ事をおすすめします。
管理部門は転職後は安定、転職前は苦戦
管理部門は、20代の求職者からかなり人気が高い職種になります。
現代の特徴になるのでしょうが、今の若者は安定を一番に考える方が多いです。
これは転職市場だけではなく社会全体としてこのような傾向があります。
人気が高いということは、ライバルとなる他の20代の求職者が多いということが言えますが、大手の転職エージェントを利用して履歴書や職務経歴書の充実や面接の練習をしたとしても、管理部門の職種で転職したいという以上は、ある程度苦戦すると考えておいた方が良いです。
その際、絶対にやってはいけないことは、今の企業がいくら嫌だと言っても転職先が決まるまで退職はしないということです。
退職して転職活動をすると確かに時間的なゆとりは持て、転職活動に集中できるというメリットはありますが、それ以前に収入がなくなりますから余程の貯金額がない限り、生活の基盤を失うことになります。
それでは本末転倒になってしまいます。
苦戦することは想定内として考えて頂き1年ぐらいはかかると考えておき、それより前に転職先が決まったらラッキーぐらいのゆとりある気持ちを持っておきましょう。
選考結果にあまり一喜一憂することなく長期的な転職活動を想定しておくことをオススメします。
その分、管理部門の職種で転職することができれば、転職前の苦戦の報いとして、転職後は、非常に安定的な労働環境を手に入れることができますし、将来的には幹部になることもできる可能性も職種によっては持ち合わせています。
転職活動には絶対はありませんし、いつ転職が決まるかという保証もどこにもありません。
記事中でお伝えしたように、20代の管理部門の職種は転職市場のなかでも上位に入るぐらい激戦区です。
大手の転職エージェントを利用し効率的に、かつ、長期的なスタンスで管理部門の職種で転職を目指し将来の安定を手に入れてください。
20代という年齢は今後のキャリアを描く上で大事なスタートラインです。変な妥協は控えて自分の軸である安定に強いこだわりを持ち転職活動を進めていきましょう。